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すこしだけの死

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  • 1日になんにんぐらいの人が死ぬのかなんて知ってもきっと理解できない。
  • ただちょっと知っている人、お悔やみを伝えることもない距離の人が死んでしまったことを考えた。
  • 知らなければ、たぶんわたしが知っている姿のまま生きているだろうと思っていた。
  • そう思っていたわたしが死んだ。
  • その人たちが生きている世界の方がすこしだけ、好きだったと思う。

予期せぬ週末

  • 金曜夜は drillman の Qちゃんを偲ぶイベントだった。「偲ぶ」という言葉のしんみりしたイメージとはまったく関係がない。うちのメンバーの、「みんなQ-zoくんにはまだいろいろ言いたいことあるんやろな」というコメントがまさに的を得ている、Qちゃんはそういう人だった。よくみんなが使っているスタジオ兼ライブハウスで、爆音だしてガンガン酒を飲んで、Tシャツの形見分けをした。buoyはネタを仕込んだ上でのセッション的な演奏をしましたよ。Qちゃんのことを考えながら演奏するのは、自分たちの音楽を作るよりずっとシンプルで楽だった。Qちゃん便利やな。
  • 体調がイマイチでほとんど呑めない、呑まなければ眠いだけ、で割と早くにお暇してしまった。またね。
  • 明けて土曜、シャワーを浴びてスッキリしたせいかさらに眠気に襲われてドロドロになっていたら月顔兄弟ことケー氏&エム氏から入電。近所に居るってんで遅い昼飯に合流。のちエム氏の運転でゆすらごへ。
  • この日のアクトは TUMULUS、荒川淳(ReddTemple)、てあしくちびる風の又サニー、篠原篤一、ともりだくさん。心の準備もなくそんなに長時間ライブみられるかしらと思ったけど時々ひとりの世界に入ったり転換の間に友だちとバカ話したりして楽しめた。
  • この日は又サニー・哲夫くんの歌がすごくよかった。あとなんの情報もなく聴いた篠原篤一さんがよかった。アコギと歌だけでゆっくりそろそろと紡ぎ出される音。乾きと湿りのバランス。ときおり母音の伸びが teasi の時の一平くんを思い出させて、もっと聴いていたら口の中で感じられるかもと思った。
  • ゆすらごの緑色のコップの中ではまるっこいスダチのタネがゆっくりと上下していて、そのビジョンが彼の歌と結びついた。
  • この日の(狭い)世間の予定をちっとも把握していなかったんだけど、なんと tumulus 兄さんはこの後もう1回演奏があるとかでふたたびエム氏の車に乗り込んで東に戻る。次のヴェニューは出町柳S.O.U.。パンク・アート・ジン Trematoda 関連アーチストのグループ展、オープニングパーティーだった。
  • パンク・アートの人たちって昔からの知り合いにもいるんだけどわたし自身はそっちのシーンにはいなくて、でもそのカルチャーのあり方ってカッコいいなあと思っているのだった。みんなちょっと度を越した音楽好きで、いつ会ってもおしゃれで、ほぼ寝起きで出てきた当方はお恥ずかしい限り。久しぶりの兄さんがたにご挨拶して2回めの tumulus。DJであたたまってリラックスした雰囲気の中でいい音が聴けた。
  • そこからさらに離脱して今度はわれらが部室・ザンパノの11周年を祝いに。なんだかんだって家に近づいているのがおもしろい。オープンマイクという名称の強制バトンが回っていて常連やら久しぶりの人やらが順に演奏したり人の演奏に混ざったり。最初に行ったのはまだ店の内装工事をしている時。いろいろあったけど店もわたしもサバイヴしてるよね。頑張ってよね。
  • たいていの場所には独りで行けるし、その分人に会いたければ自分から誘うようにもしてるので、どんどん予定が決まっていくのがおもしろかった。

スマイル0円

https://www.instagram.com/p/BFm9ZL4lMML/

  • ここ数ヶ月ぐらいかな、なんでもないタイミングで笑うように心がけている。
  • 大抵はスーパーやコンビニのレジで、あとは建物のドアを送ったり、アパートの住人とすれ違ったりする時に。
  • それなりの対人スキルは身につけているつもりだけどかといってみるからにフレンドリーでもない。なのに笑顔が気になりだしたのは、笑顔がうまく作れなくて口角だけを必死で上げている若い人たちに気づいたからかもしれない。
  • 笑顔を必要とされるけど仕事そのものをこなすのもおぼつかない若い人がちっとも笑ってない目で接客してくれるのに驚いた。ちょっと切なくなって、応援したくなった。
  • それから数多くのお客をさばくのに慣れきってしまっているスーパーやコンビニの店員さん。特段の笑顔もないドライな対応、決められたセリフの連続。
  • 「ポイントカードお持ちですか」って何回もきかれてうんざりするのは普通の反応だけど、そこをあえてビッグ・スマイルで「ないです〜」って言ってみたらストレスを感じなくなった。心なしか相手もいい感じの反応を返してくれるようでもある。
  • 職場でも、なんとなれば顔なんて見えない電話対応でも笑顔。
  • 相手に向かって笑顔を繰り出してるけど、実は自分の方が気分が良くなるんじゃないかと思う。
  • あの若い店員さんも心から笑って接客できるようになるといいなあ。
  • もしこういう笑顔が通じないとしたら、たぶんその街にはもう住めない。

どうぶつえんに行った

https://www.instagram.com/p/BFa8TEPlMJ4/

  • 鳥飼いのオー嬢、アール氏と天王寺動物園に行ってきた。
  • カラッとして気持ちのいい天気なのでこれは昼ビールやろ、と動物園入口まできたらオクトーバーフェストをやっていてさらにビール気分高まるも、入口前のコンビニの行列がめんどくさくてビール購入を諦めた。
  • 天王寺動物園は生態展示へのリノベーションが始まった頃に行ったのが最後だったんだけどかなり楽しくバージョンアップしていた。
  • トップ画像のように案内板なんかは統一デザインなんだけどあちこちに昭和の香りの看板なんかがそのまま残されたというか使いまわされていてその辺のカオス感も好み。

https://www.instagram.com/p/BFa8gaflMKH/

  • 好奇心旺盛なキングペンギンさんは抱卵中なのでヒナが生まれたらボサボサを観に行きたいぞ!

https://www.instagram.com/p/BFa8sk9FMKe/
抱卵なうやで

  • ……つい動物園でもペンギンを見てしまうが、この他に良かったのはオオカミ。シュッとした個体、ちょっとアンニュイな個体、なんだか愛嬌のある個体。イヌだけど全体に孤高な感じがたまらない~。諸君、わたしはイヌが好きだ!

https://www.instagram.com/p/BFa8yRtlMKk/

  • あと禽舎が巨大で素敵だった。なかにいるトリはコサギゴイサギアオサギオシドリなどお馴染みの種が多いんだけど、2階ぐらいの高さに通路があるので、営巣の様子を上から見られる!折しもトリのみなさんは子育てシーズンということもあって賑やかで見応えありました。動物園は教育施設でもあるのでこういうのは勉強になる、かつトリがのびのびしているので嬉しい。

https://www.instagram.com/p/BFa9No5lMLQ/

  • なんとなれば外から来たトリも禽舎フェンスの外側に営巣したりして。良い~。
  • 閉園ギリギリまでかかって総なめする勢いで楽しんでこれ800円ですよ。公立素晴らしい。
  • その後天王寺駅前のペットショップ「アルバトロス」に移動。鳥飼いの方々はこれがメインだったので入店するなり鳥に話しかけたり楽しそうだった。あとやっぱりここでもオルグされて、文鳥のヒナに練り餌をやるとこを見せてもらったりコザクラインコを触らせてもらったりした。う、うん、文鳥可愛いね……
  • 各々お留守番しているトリたちにおみやげを購入して満足、その後府立体育館前の安くて旨いちゃんこ屋に移動して打ち上げ(何の?)。
  • ぎょーさん歩いたよ。

プレゼント

  • ここ半年ぐらい、母が夢に現れる頻度が高い。あんまり楽しくはない。たいていの場合わたしが母に腹を立てていたり、互いに不機嫌だったりするのだ。実際に母に腹を立てて喧嘩になった記憶はあまりない。たぶんわたしは母を諦めていた。
  • 尊敬はしているし、充分すぎるほど与えてもらった。でも結局彼女がわたしに望むものは、なにもあげられなかった気がする。彼女は、わたしに何を望んでいるのか、はっきりと知っていたんだろうか。わたしにだけではなく、自分が欲しいものを。
  • いちばん最近の夢は、母と、母の知人の娘さんの結婚祝いの品を見立てに行くというエピソードだった。わたしはその娘さんを直接知らないし、あちらにしても母親の知人からいただくお祝いは無難なものがいいんじゃないの、というような感想を述べると母は不機嫌になった。つまりその時彼女はあまり無難でないものを選ぼうとしていたのだけど。
  • それなりにおしゃれが好きで悪趣味という程でもない人だったから自分の見立てをほめて欲しかったのかもしれない。でもわたしとは趣味が合わなかったし、誕生日プレゼントやたまに差し入れ的に送ってくれる旅先の土産やなんかも、気持ちはうれしいけど、と仕舞いこむことが多かった。欲しいものがなにもないわけではないんだけど、たいていの金で買えるものは自分で買うのがいちばん落ち着くのだ。ほんとうは母もそうだったんじゃないんだろうか。
  • 母が亡くなって今年で4年。今になって懐かしくなるというよりは、疎遠ぶりばかりが思い出される。わたしは何を失ったんだろう。

今週のドラマ

  • ボッシュ』シーズン2(AmazonPrime)。マイクル・コナリー原作の人気ハードボイルド小説を独自に映像化。
  • S1より随分スッキリして観やすかった。ついでに主演のタイタス・ウェリバーもだいぶ身体を絞っていい感じになってた。そもそもこの人、いままで脇役でしか見たことがなかったので結構驚いたけど、なかなか良かった。レビューだとアクションが少なくて役者も地味だとか結構評価低いんだけど、ハードボイルド小説を読んでいると思えば充分おもしろい。S1より更にボッシュがかっこいい役回りでずるいなーと思ったけどハードボイルドだから。
  • 女性の描き方(特にS1におけるブライシャー巡査の造形)なんかにはむっとさせられつつでもそういう女性、いるわなー、というリアリティもあるのでなんとも。だってハードボイルドだから。
  • ハードボイルド小説を読んでおっさんご満悦みたいなのはマチスモ!と思いつつそれだけではない、という気になっているから不思議なものだ。ある種のファンタジーだからなのかな。
  • 4Kの高画質がウリらしいのだけどうちの環境では時折動画のストリーミングが追いつかず音声に置いて行かれることに。トホホ。映像はバリバリにスタイリッシュだけど、映画原作のコンサルタント料で買ったという設定の崖の上の家だけは絶対住みたくない。地震で転がり落ちると思う。

意識のうごき

https://www.instagram.com/p/BE0CvjJFMJn/

  • 滋賀県立近代美術館で開催中の展示の関連企画として ASUNA の 100 keybords が上演されるというので行ってきた。今回は会場備え付けのグランドピアノも加えての101台鍵盤大行進。
  • ケー嬢と待ち合わせて快晴の湖国瀬田駅からバスに揺られて文化ゾーンに到着。ベンチで弁当食べてたら向こうからアール嬢がえっさえっさとスロープを上がってきてあんなに広い公園でまさかのバッタリ。
  • 展示を一通り見てロビーに出てきたら到着したばかりのエム画伯夫妻とバッタリ、そして電子音楽研究家のケー先生も。ASUNA くんのライブ目当ての人々が続々集合。
  • 会場が暗くなってフロアランプが点いたら始まり。1台ずつスイッチを入れ、鳴らす音を決め、もう一度立って全体の響きを確認し、の繰り返しで小さな音の重なりが増幅し揺らぎ流れる。ひたすらに根気強く。自由に歩き回って良いとのことなので放射状の客席沿いにウロウロする。
  • 天井高はあるけど全体に柔らかめのカーペットが敷かれた会場なのでかなりマイルドな音ではあったけど、座っている客の上を通ってくる音を求めて背伸びしたり、壁伝いに降りてくる音を探したり。カシオトーンを鳴らしきったところにグランドピアノのアルペジオを重ねる。もっと大きい音でもよかったかな。
  • このパフォーマンスはまた1台ずつ音を消していって無音になるところまでが全部なんだけど、消しに入ったあたりで帰り始める人がけっこういたのは残念だった。「途中入退場不可」とはされていたけど、夕方ちかくだったし、音楽に詳しい訳でもない親子連れにとっては予定時間をオーバーするのは辛かったかもね。ただ出て行く人の「気」というか「意識」みたいなものが伝わってくるようでやっぱりちょっとこちらの集中力も削がれる部分はあった。
  • 人のうごきが途切れてもう一度集中するのにあまり苦労しなかったのでまあよし。残った人たちの気が立ち込めていたのであろう(突然のオカルト語り)。最後の音が消えてフロアランプも消えて、大団円。をー。
  • 贅沢を言えば次はもっと獰猛な音で聴きたい。めっちゃ大変そうだけど。いや ASUNA くんいつも大変そうだけど。
  • ケー嬢と京都でサシ呑みするとこまで大充実でした。

追記:当日の模様少しみられます。

www.facebook.com

春の遠足その2

https://www.instagram.com/p/BEh2ikvlMPy/

  • 今週の遠足は兄と一緒に伊丹市立美術館で開催中の『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展』。大きく分けて物理媒体(書籍)、原画、その他(グラフィック、舞台美術等)という三部構成。
  • それほど熱心にゴーリーの本を集めているわけではないんだけど、緻密に書き込まれたペン画は原画で見るとほんとにすごい。基本的に原寸サイズでしか描かないということもあって線の陰影も含めて堪能できた。書籍パートでの版違い、セット物の山も紙もの好きにはたまらない展示。
  • ゴーリーといえば謎なキャラクター、不穏で時には救いようのない物語が特徴だけど、彼自身「不安を喚起することが仕事、なぜなら世界は不安なものだから」と言っていたのは興味深かった。悪意や、まして露悪などではなく、やむにやまれず不安を掻き立てるとはどういうことなんだろうか。
  • 誰のなかにも存在する「不安」をあちら側のものにしないことで、私たちは不安に飲み込まれない立ち方を獲得するのかもしれない。ゴーリーの本を通して、そういう在り方を学ぶのかもしれない。
  • 前回伊丹市に行ったのはいつのことか思い出せないぐらい昔だけど、酒どころだけあって気になる酒屋やら、ああそういえば昆虫館や昆陽池公園も伊丹だったよね、と思い出した次第。機会があればまた探索に行こう。
  • その後梅田の LIXILギャラリー大阪へ移動して『文字の博覧会 -旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-展』へ。こじんまりしたギャラリーだったけど事前に図録で予習していたのでいろいろ脳内補完できてよかった。「子音しかない(必要に応じて記号などで母音を補う)」とか「左右上下に決まりはなく左利きの筆者は鏡文字を書く」とか、文字にはビックリするような文化が内包されているものだなあ。
  • プリンスが多用していた "U"(you)、"4"(for)、"2"(to)のような略語もそうだし、日本語にもたくさんの略語があるし、そのうちに略語が正規の表現になったりするのも、前提に共有される文化あってのことだしね。
  • あとLIXILギャラリーってINAXギャラリーのことだったのか。INAX本体のブランド変更にともなう改名なんだろうけど、ちゃんと文化事業部門が残ってよかったなー。
  • 休憩と称してドイツビールをちょっと引っ掛けたあたりでグランフロント(都会)が辛くなってきたので「私のキタ」かっぱ横丁で早めの夕食とって解散。